エルニーニョもにらみ注目の消費関連を読み解く いちよし経済研究所 柳平孝・主任研究員に聞く

セクター 概況


DCM、コメリなどホームセンターに注目
セブン銀行、わらべや日洋などセブンイレブン関連も

柳平孝氏

柳平孝氏

気象庁はこのほど、今夏(6-8月)に「エルニーニョ現象」が起きる可能性が高まったと発表した。気象と小売りの関係性に詳しい、いちよし経済研究所の柳平孝・主任研究員に、エルニーニョが発生した場合の小売りへの影響、投資着眼点などを聞いた。

「エルニーニョ発生となれば、日本は『冷夏・暖冬』になる傾向がある。日本の小売業の多くは、旬の商品、旬の季節イベントを提案することで売り上げを確保しており、天候要因で旬がボヤっとすると購入意欲が高まりにくい。エルニーニョは小売業にとってネガティブ」

■ホームセンターに注目――理由(1)

「ただ、全面的に小売りがネガティブかというと必ずしもそうではない。例えば、ホームセンター。この業態は今上期は既存店売り上げが回復する可能性がある」

「上期は“買い置きが難しい”苗など園芸品の需要期にあたり、他業態に比べ反動減は軽微と考えられることが1つ。一般的に消費増税に向けた駆け込み需要の反動減で苦戦するとみられているが、確かに4月はそれも見られようが、前回の消費税率改定時(1997年)のグラフを見ると、その後堅調に推移したことが分かる」

「また、昨年は太平洋側は猛暑だった一方、日本海側は“長梅雨・暖冬”といったように春夏秋冬のすべてで逆風だった。DCM(3050)コメリ(8218)アークランドサカモト(9842)など日本海側を地盤とするホームセンターは、今年の日本海側の気温が平年とそう変わらなければ反動増が読まれる」

■ホームセンターに注目――理由(2)

DCM(3050) 週足

DCM(3050) 週足

「ホームセンターは、昨年は円安デメリットで原価が上昇した。例えば、昨年12月は1ドル=104円と前年同月比で25%もの円安となり、特に開発輸入に注力してきたホームセンターは原価上昇が激しく、“受難の年”だった」

「しかしながら今年は、(1)前年の天候要因から売り上げ反動増。多少エルニーニョがあったとしても売り上げ回復、(2)為替が1ドル=104円程度で推移すると、円安の影響は春先から一巡。104円程度ならば前年比数パーセントの円安にとどまり、この水準であれば商品開発メリットで影響を吸収でき、粗利悪化も止まる――といった展開が想定される。銘柄では、DCM、コメリ、アークランドサカモトに注目している」

■セブンイレブン関連に注目

「コンビニは気温と客数の連動性がありエルニーニョ発生で冷夏・暖冬となればネガティブ。ただ、仮に気温要因で弱含んでも大量出店による規模拡大で成長できる。注目の筆頭は、『おいしい惣菜』と『セブン銀行のATM(現金自動預払機)』があるセブンイレブンを展開するセブン&アイHD(3382)。同社の大量出店がプラスに働く、セブン銀行(8410)わらべや日洋(2918)にも注目している」

■セブン銀行

「セブンイレブンには1日1,000人が来店し、その10分の1がセブン銀行のATMを利用している。ATMの利用は気温と無関係。余談だが、海外発行のクレジットカードで日本で円をキャッシングできるATMは、セブン銀行とゆうちょ銀行だけ。セブン銀行は『インバウンド関連株』ともいえる」

■わらべや日洋

「私は証券勤務のため朝早くに出社し、コンビニでトマトジュースとゆで卵を買うのが日課なのだが、最近は早朝から電車が混み合い、コンビニでもゆで卵の1個入りパックが売れ切りになっていることが多い。東京の再開発現場で働く人が利用しているためで、東京再開発が本格化している1つの証左。開発現場で働く人はしっかり食べる人が多く、コンビニ商材がよく売れている。コンビニ業界で首都圏に一番強いのがセブンイレブン。そこに弁当、おにぎり、惣菜などを納入しているのが、わらべや日洋」

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