イベントラッシュ「3月相場」 外国人買いの季節習性も

概況


この時期買うなら、日本通運

来週から3月相場入り。年度末とあって、株価意識が高まるタイミングを迎えている。この3月は例年にも増してイベントラッシュ状態を迎えることも相場形成に影響を与える可能性がある。影響の大きそうなものだけでも、5日から中国の全国人民代表大会(国会に相当)、7日に米国雇用統計、10、11日に日銀金融政策決定会合、14日に先物・オプションのメジャーSQ(特別清算指数)算出日、17、18日に米国FOMC(連邦公開市場委員会)、といった具合。

もちろん4月からの消費税率上げの余波が強く意識され、3、4月のいずれかの会合で日銀が追加緩和に踏み切るとの観測も根強い。ようやく落ち着きを取り戻してきた最近の相場だが、内容次第で再び上に下にと揺さぶられる展開も想定しておく必要がありそうだ。

もっとも、3月相場の季節習性自体は、決して悪くない。日経平均の月足陽陰線は、直近15年で「10勝5敗」。5年間なら「4勝1敗」だ。

【日米とも株高傾向】

東海東京調査センターによると、2000年以降の日経平均「月別平均騰落率」で、3月(+1.2%)は12月(+3.0%)に次いで2番目に高い。同様に米国S&P500で見ても、3月(+1.7%)は、4月(+2.0%)に次いで、やはり12カ月中で2番目の高パフォーマンス月となっている。

そして、背景要因として指摘されているのが、2―4月に本格化する、米国での所得税などの税還付だ。これらが市場に還流して株高を演出。そうした需給効果が薄れてきた5月ごろに「セル・イン・メイ(5月に売れ)」の調整局面が生じるのは、近年の恒例行事となりつつある。

大和証券試算による直近20年間の月別外国人買越額でも、3月は平均5,283億円と、12カ月中最大だ。

結論的には、イベント次第で大きく揺さぶられる場面はあっても、基本観は強気、とみておきたいが、全体論に終始するだけでは面白くない。具体的に、「3月に買われる株」はあるのか…。

日本通運(9062) 週足

日本通運(9062) 週足

【企業の株価意識は】

企業の株価意識を占う1つの判断材料が「株価連動型報酬制度」。武田薬品は昨年暮、大幅な収益減額で急落したが、実は、株価上昇に伴う人件費増加もその要因の1つだ。3月末株価が基準となるため、まだ確定していないが、少なからぬ従業員が株価に目を凝らしていることだろう。もちろん企業にとってのコスト増は痛しかゆしだが、制度の趣旨から言っても、基本は株高指向と言っていいだろう。こうした制度を導入している企業はまだ数少ないが、例えば、06年に役員退職慰労金制度廃止とともに、取締役、監査役に対して株価連動型報酬制度を導入したのが日本通運(9062)だ。

もともと日通は、制度導入前から3月高傾向の際立って高い株として知られてきた。1993年から昨年までの21年間で、3月の上昇は16回。うち12回は、月間上昇率5%以上を記録している。21年間の平均でも、3月は「+5.5666…%」だ。

2月半ばには、野村、岡三各証券が投資判断を最上位に上げ、逆にSMBC日興は「中立」に下げたが、そのSMBC日興の目標株価560円でも15%強、上ザヤだ。今年も恒例の3月高が見られるかどうか。

戻る