話題銘柄をテクニカルで斬る 「Spring has come!」 いよいよ雪解け デフレ脱却相場の到来か!

概況


日銀が2月13日に発表した1月の企業物価指数は(速報値、2010年平均=100)は、102.9で前年同月比2.4%上昇した。プラスは10カ月連続で、タイムラグを伴いながら、いずれ製品・商品価格の値上がりを通じて消費者物価に最大100%転嫁されるから、消費者物価指数も日銀の政策目標である前年同月比2%上昇を実現するだろう。それが年末までかは定かでないが、まさにデフレ脱却の足音、日銀に春の訪れである。

ただ、企業物価指数の上昇要因は、好景気による「デイマンドプル(需要けん引)」ではなく、円安による原油や石炭、鉄鉱石など原燃料の輸入価格の上昇の影響が大きく、石油・石炭製品、電力料金、鉄鋼など関連製品の値上がりによったもので「悪い物価上昇」だ。品目別に見ると電力・都市ガス・水道が同11.0%、石油・石炭製品が同10.7%と2ケタの上昇と凄まじい。基礎産業資材の鉄鋼も同5.9%も上昇した。4月の新年度入りとともに各企業は、消費税増税分の価格転嫁のタイミングに合わせて、販売価格に原材料仕入れ価格の上昇分を転嫁するため、製品・商品の販売価格の値上げを一斉に始めるだろう。当然だが、トラック輸送など物流費も値上げされる。経済統計的にも「デフレ脱却」である。

このような物価上昇、名目価格の値上がりは、株価にプラスだろうか。名目価格の値上がりは名目で示される売上高、利益にプラスで、名目で示される株価にもプラスと働くが、名目賃金が仮に名目価格分上昇しなければ、総需要の6割を占める個人消費は落ち込み企業の売上高の減少を通して実態経済にはマイナスとなる。また、名目賃金が名目価格以上に増えたとしても、物価に先高感があれば、15年10月の再増税を懸念し給与所得者、その配偶者は買い控えや生活防衛のための節約に走り、個人消費は増加しないかもしれない。一時的な株価と実体経済の乖離(かいり)が起きるのだ。

先行きは不透明として、素直に企業物価指数を押し上げている品目の関連株の動きを探りたい。電力・都市ガス・水道の関連株として、自動車産業集積地が事業エリアの中部電力(9502)と商人の町、大阪を事業基盤とする大阪ガス(9532)、石油・石炭製品のJXホールディングス、鉄鋼は新日鉄住金となるが、誕生して日が浅く長期間の信頼性に富む株価チャートが描けないで、昭和シェル石油(5002)、JFEホールディングス(5411)で考える。いずれもインデックス採用の超大型株である。物価指数は月次であるから、株価もデフレの過去10年間の月足とする。ラインチャートを使用するので、チャートは月の終値で作図されているので注意。12カ月、24カ月の超長期移動平均線で分析する。なお、14年2月の月足は形成途上である。

昭和シェル石油(5002) 940円割れに買い向かう

5002月足は、2007年6月の高値1,529円で2番天井を形成、下降相場に転じて、12年8月の安値403円でようやく底入れ。13年11月に5年ぶりの高値1,138円を付け戻り相場も一服の弱さ。月足は14年2月に12カ月線(939円)に接近。月足が割り込めば、880円のネックラインが下値メドにある。割り込まず反発すれば1,200円への反騰になる。様子見だが940円割れを打診買い。月足が上昇する12カ月線(その下に24カ月線)を割り込めば、07年以来で警戒したい。

JFEホールディングス(5411) 下降相場入りで見送り

5411月足は、大きく値下がりした。2007年7月の高値8,210円から12年8月の安値988円まで、株価は8分の1以下になった。5年に及ぶ値下がりで、長期保有が意味のないことが理解できる。安値988円を大底にした反騰相場も13年9月の高値2,543円で息切れし、反落、14年2月入り2,000円を割り込む場面も。月足は12カ月線(2,195円)を割り込み、24カ月線(1,801円)を視野に入れた。見送り。1,800円接近で打診買い。目標値は2,500円。

中部電力(9502) 1,100円前後に仕込み場到来

9502月足は、2007年3月の高値4,050円を大天井に12年10月の安値823円まで下落。この長期下降相場の間、月足は24カ月線を上値抵抗として反騰相場も頭打ちとエネルギー不足。13年に入り、24カ月線を上抜き移動線もゴールデンクロスを示現も、14年に入り再び24カ月線(1,215円)を割り込んだ。ただ1,100円に下値支持線が控えており、1,100円前後で買い。目標値は13年10月の高値1,452円。

大阪ガス(9532) レンジ相場の押し目買い

9532月足は、2007年1月の高値469円と13年4月の高値422円で「ふたこぶラクダ」の珍しい形状。6年ぶりに戻り高値を形成した月足は14年1月に入り、上昇する12カ月線を割り込み急落。これは06年、07年の時にも起きた形状で、月足の下げ方が瓜二つである。すなわち、上昇する24カ月に接近して反騰するパターンだ。06年6月の安値368円、08年4月の安値370円を結ぶネックラインにも近づいた24カ月線(371円)水準で買い。そして、12カ月線(411円)前後への反発で売りだ。足元の状況からは押し目待ちとなる。

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