概況/大引け 来週の日銀金融政策決定会合で物価目標2%の達成が見通せるまで無制限に国債買い入れ継続や超過準備付利撤廃の是非も検討と報じられ、2010年6月以来の1ドル=90円台に。自動車や電機以外にも海運も円安メリットで高い。インテルの設備投資計画で半導体製造装置も買われた。

概況


日経平均 15分足 MA(25/75)

日経平均 15分足 MA(25/75)

 大引けのTOPIXは911.44ポイントの20.98ポイント高、日経平均は10,913円の303円高。東証1部市場の値上がり銘柄数は1,473、値下がり銘柄数は152。出来高は38億6,508万株、売買代金は2兆2,470億円。

 日銀が1月21~22日に開く金融政策決定会合で、2%の物価上昇率目標を採用することを明記すると日経新聞が報じ、ロイターは物価目標2%の達成が見通せるまでは無制限(オープン・エンド)に国債買い入れなどを続けることを日銀は検討すると伝え、金融機関が日銀に預けている当座預金の超過準備に付く0.1%の金利(付利)の撤廃の是非も議論すると報じたため、円相場は一時1ドル=90円18銭まで円安が進み、2010年6月以来2年7ヵ月振りの1ドル=90円台となりました。

 当座預金の付利の撤廃については、日銀内には短期金融市場の機能が失われると反対意見もありますが、白井さゆり審議委員は講演で、撤廃により短期金利が低下し、他国との金利差をもたらし、円安方向に後押しする効果が期待されると述べています。

 みずほ証券では1ドル=90円だと東証1部の2014年3月期の経常利益は25%増益ですが、1ドル=100円になると34%増益、120円では46%増益になると予想しています。
 「アベノミクス」への期待からPERが15倍に維持されれば、2013年半ばに日経平均は1ドル=90円で12,000円、100円で13,000円、120円で14,000円程度へ上昇すると解説しています。

 円安による業績拡大に期待してソニー(6758)やトヨタ(7203)などの輸出関連が買われ、川崎汽船(9107)や商船三井などの海運株の値上がりも目立ちました。
 海上運賃がドル建てなのでドル高円安は収益増加要因となることや、自動車船事業の収益改善効果も期待されています。円安水準に戻ると自動車メーカーは国内生産を拡大し、輸出増加の戦略に回帰するので、海運会社も一括大量輸送の恩恵を受けるという思惑も託されました。

 半導体製造装置は世界シェアの高さから基本的に円ベースで取引されているので、円安メリットは相対的に小さいそうですが、インテルの2013年の設備投資額が130億ドル±5億ドルと、コンセンサスと見られた80~90億ドルを上回り、2012年の実績も110億ドルなので、前年比でもプラスとなることが好感され、東京エレクトロン(8035)などの半導体製造装置メーカーも買われました。
 大和証券ではインテルの設備投資で、450ミリウエハの要となる露光装置を手掛けるニコン(7731)や、450ミリウエハで単価アップが期待されるシリコンウエハーメーカーの信越化学とSUMCOが特に注目されると解説しています。
 
 ダイキン工業(6367)は2012年11月1日に米家庭用空調機器最大手のグッドマン買収を完了させましたが、買収完了時の為替レートは1ドル=80円前後であり、買収完了後から為替が円安転換したことで、グッドマン買収による2014年3月期以降の直接的な利益押し上げ効果が、想定以上になる可能性もあるだろうとみずほ証券では解説しています。

 日経ジャスダック平均は1,519円の16円高。半導体製造装置のニューフレアテクノロジーと、円安メリットでミニショベルの竹内製作所が買われました。
 
 東証マザーズ市場ではタカラバイオが東証から日々公表銘柄に指定されたことで、足踏みとなり、ジャスダック市場ではテラとシンバイオ製薬(4582)は大証から信用取引の際の委託保証金率を30%以上を50%以上に、大証金も貸借担保金率を30%から50%に引き上げたため、信用取引規制で株式需給が悪化すると警戒され、売られました。

 ただ、東証マザーズ市場のUMNファーマ(4585)は開発中のインフルエンザワクチンが米食品医薬品局(FDA)に承認されたため、連日のストップ高買い気配となり、大引けで比例配分となりました。

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