自社株買いラッシュに条件整う 決算、株安、ROE…

概況


軟調地合い下、「自社株買い」への市場の関心が再び高まりつつある。

任天堂(7974) 任天堂

任天堂(7974) 任天堂

29日の決算発表を受けた任天堂(7974)が朝方、一時970円(7.5%)高となる場面があった。決算内容は想定線だが、発行済み株式の7.8%に相当する1,000万株を上限とした自社株買いを発表したためだ。結局、前場中に開催した「経営方針説明会」が失望される格好で(スマートフォン活用策が不十分など)、売り直されたが、自社株買いが強い印象を残したことは確か。

なお、29日は任天堂以外にも、ヤマトHD(9064)第四銀行(8324)が自社株買いを発表。それぞれ逆行高する場面があった。1日3社の実施発表は今年初めて。決算発表シーズン入りに足元の軟調地合いと、自社株買いが相次ぐ環境は整ってきた。加えて、今年は「JPX日経400」もスタート。同指数採用に向けて、ROE(自己資本利益率)向上を目指す動きが強まりつつあり、その手段としても自社株買いは有効となるわけだ。過去最高ペースで自社株買いを進める米国に対し、日本企業は後れを取ってきたが、今後のキャッチアップが期待されてくる。

菱洋エレク(8068) 週足

菱洋エレク(8068) 週足

今年に入って、「自社株買い銘柄の再評価のとき」と題するレポートを発行した三菱UFJ証券では、「高いリターンを期待できる自社株買い銘柄の条件」として、低PBR(株価純資産倍率)を挙げている。自社株買いを通じた“経営者のメッセージ”が割安修正につながりやすいことに着目したものだ。巻末に、今年度に入って自社株買いを発表した、低PBR34銘柄を付している。

これらの企業のうちで、実際にどこが再び自社株買いに踏み切るかは不明だが、例えば株価低迷の続く静岡銀行(8355)は、配当性向25%と並んで、自社株買いも含めた総還元性向50%以上を目標に掲げ、毎期継続的に自社株買いを実施してきた。今後も続けていく可能性は十分だろう。また、先の34銘柄の中でも、とりわけPBR水準が低く、キャッシュリッチ企業として知られる菱洋エレクトロ(8068)も前週の高値から1週間で約10%の押しを見た。こういった銘柄にも自社株買いの輪が広がれば、市場の注目度は一段と高まることになりそうだ。

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