電鉄株に“逆襲高シナリオ” 優待取りの2、3月高習性発揮か

概況


西武HD再上場にも思惑

動意薄の続く不人気セクターながら、電鉄株に注目してみたい。昨年の業種別指数騰落率は33業種中、下から8番目。主要各社とも当面、もみ合い相場に終始しているが、ここで注目点となるのは、春先に活躍しやすい季節習性だ。

もちろん、その背景には3月期末の株主優待権利取りがあるわけだが、例えば“私鉄の雄”東急電鉄(9005)を対象に、「1月末から2、3月高値までの上昇率」を見ていくと、1996年+12%、97年+12%、98年+14%、99年+15%、2000年+81%、01年+17%、02年+23%、03年+4%、04年+26%、05年+8%、06年+2%、07年+26%、08年+2%、09年+14%、10年+9%、11年+3%、12年+12%、13年+47%――といった具合。直近18年間で2ケタ上昇が12回。うち5回は2割を超える上昇率を記録している。ほかの銘柄にもおおむね共通する傾向と言っていいだろう。

優待権利取りに関しては、今年は「NISA(少額投資非課税制度)元年」とあって、沿線住民の買いが広がるといった思惑も生じやすい。

加えて、電鉄株には、小田急(9007)富士急(9010)阪急阪神HD(9042)山陽電鉄(9052)JR西日本(9021)も含め、恒常的に信用倍率1倍を大きく下回っている銘柄も多く、株券需給のひっ迫する期末にかけて逆日歩が高まる場面も生じそうだ。

電鉄株への追い風は、まだまだある。各社の開示している「賃貸不動産含み益」を見ると、西鉄(9031)相鉄HD(9003)が、時価総額の5割近くの水準に達しているなど、有数の土地持ち企業ぞろいであり、最近の不動産市況好転や、日銀の追加金融緩和などの恩恵は大きなものとなる。官民挙げて進められている外国人観光客誘致も、首都圏や観光地などの集客力拡大に直結する。

さらには、先に上場申請を行った西武HDの上場接近も刺激材料になり得る。もちろん、実際の上場時には、逆に機関投資家の換金売りが生じる可能性はあるが、大型上場を控えた“環境整備”として、この先、大手証券などに上げ賛成ムードが広がる可能性があるためだ。

最近、このセクターのレポート発行は少なく、個別の買い推奨では、昨年12月中旬の三菱UFJ証券による東急電鉄が目立つ程度だが、野村證券は20日付「鉄道」レポートで品川再開発に言及。「JR東日本(9020)の計画次第で価値が大きく変わる」などとしていた。東京五輪開催も視野に品川再開発に光が当てられるようなら、当然、京浜急行(9006)への注目度も再上昇が想定されてこよう。

例年同様、2、3月にかけての上昇局面を想定するのであれば、十分な調整を経てチャートの煮詰まり感を示す東急や京急あたりは格好の対象となりそうだ。

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