知らないと怖い不動産市場の裏 東京五輪効果を享受できるのは?! ―大手のみ買い進められる現実―

REIT 概況


環状2号線沿線“新名所”に

先週末のアメリカの雇用統計の影響で、景気回復への期待感がはげ落ち、連休明けの東京市場は大幅な下落を余儀なくされた。個人的には強気派がまだまだ多く残る株式市場と思っているが、過度のリスクを取って、昨年末のように一気に上げる相場つきでもなさそうだ。J-REIT(不動産投信)を見てみると、昨年12月26日から譲渡益課税が100万円まで無税になるNISA(少額投資非課税制度)口座での購入が始まっており、当日以降日経平均をアウトパフォームしていた個別REITも、新年明けてから軟調に推移している。ただ、14日の大幅下落に対して、いくつかのREITは上げており、ほかのREITも下落幅は小さい。NISAの影響で底は案外堅い印象を持った。一方の不動産銘柄はNTT都市開発や東急不動産など軟調が続いている。NISA口座経由でも配当の低いものは購入しにくく、こちらは日経平均をアウトパフォームすることは難しそうだ。

個別の不動産に関しては、年度末に向けて法人の売却ニーズが高まっているようだ。売却を相談される案件が増えてきている。ただ、前年の同じ時期と比べ、売却価格の高騰がものすごく、年度末に向けて、その案件も売買が成立するとは考えづらい。買いたい投資家は非常に多く、物件紹介をすると非常に多くの方からご連絡を頂くが、不動産個別で銀行の評価が出る物件や、保有簿価が低く、価格交渉に柔軟に対応できる不動産のみが契約・決済が行われるのではなかろうか。

不動産のファンダメンタルズに関しては、三鬼商事によると相変わらず回復傾向が続いており、新築だけではなく、中古の物件に関しても募集賃料の下落は継続しているものの、空室率の低下が著しい。結果的に不動産のファンダメンタルズは上昇過程にあるといえる。J-REITのインデックスを見ていても、日経平均が12月初旬まで値を戻している中、NISA口座開設に沸いた26日以降と比べても数値をキープしているように思われる。NISA口座を経由して、J-REITを購入した方は、引き続き安心して保有していていいと思っている。私はJ-REITではなく、個別の不動産を保有しているため、J-REIT自体は急激な調整時に利用している。

figオリンピック自体は、都市計画や観光と関連が深く、結果的に東京の都市力を高めるチャンスであると考えている。それは、結果的に東京の不動産価格上昇に向けたチャンスでもあると思っている。なぜなら、オリンピック開催によって都市インフラが再整備され、今まで以上に外国人旅行者が増加、商業施設やホテルの新設・収益の拡大が見込まれるからだ。個人的に面白いなと思っているのは、虎ノ門ヒルズを中心とした、オリンピック会場と都心部を結ぶ環状2号線沿線(2016年開通予定)だ。計画を見ると、通り沿いに、街路樹やオープンカフェ、洒落た店舗などができ、表参道と並ぶ東京の新名所になるのではないかと考えている。お台場を中心とした臨海副都心は、カジノができる可能性が高く、外国人観光客などを呼ぶための巨大エンターテイメントタウンへと変わっていきそうだ。そのため、居住用のマンションだけではなく、店舗を誘致できるような商業ビルも、これまで事務所使用だけだった築古のビルを中心に建て直しや大規模改修が行われよう。今後、用途だけでなく、その価値に関しても大きく変わっていきそうだ。そんな中、将来の改築を前提とした都心の大型優良物件は、長期の目線で考えられる大手のみが参戦でき、日銭が必要な中小の不動産会社は扱える物件も限られるため、今後どのように立ち回っていくか考えなくてはいけないと思っている。不動産に、いい流れはできているので、後はその流れにいかに乗っていくか、流れに乗った不動産会社の株は、今後も上がっていくのではないか。これまでの、緩和によって瀕死の不動産会社が生き返るステージから、上手に流れに乗った不動産会社のみがもうけられるステージに入ってきたと思っている。

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