9月末外国人持ち株比率動向 三井住友トラスト48.2%で一躍銀行トップ

概況


先の決算発表後に各社の発行したIR資料などを見ると、いろいろと興味深い傾向も見えてくる。その1つが9月末時点での外国人持ち株比率だろう。例えば、米国ヘッジファンドのサード・ポイント名義が浮上したソニー(6758)の場合、3月末の32.6%から9月末40.6%に急上昇。ほかに、メガバンク3社中、唯一、5月高値を更新した三井住友FG(8316)も41.8%から47.7%に大幅アップしていた。ほかにも、マツダ(7261)が38.8%から42.1%に、大和証券(8601)が41.0%から43.2%に、東電(9501)も16.8%から20.8%になり、総じて比率上昇が目立つのは、投資主体別での外国人売買動向と一致するところか。

三井住友トラスト(8309) 週足

三井住友トラスト(8309) 週足

そうした中で、異彩とも言える外国人持ち株比率急上昇をたどったのが三井住友トラストHD(8309)。全3月期末の39.4%から9月末48.2%へと駆け上がった。さらに昨年3月末の33.6%と比較すれば、その急増ぶりがうかがえるというもの。外国人持ち株比率で三井住友FGを抜き、一躍、銀行株トップに浮上してきた。

その背景について、ドイツ証券の3日付銀行業界レポートでは、「アベノミクスで最もメリットを受ける銀行との見方が多いためと思われる」と指摘している。確かに、日銀のETF買い入れの際の受託業務を一手に引き受けるなど、市場でも、「メガ信託」としての存在感の高まりが指摘されている通りだ。

会社側に話を聞いてみたところ、「そうした評価を頂くことは非常にありがたいが、直接的には6月に実施した自己株式処分に伴う海外投資家向け株式売り出しが背景ではないか。グローバルな事業活動強化に向けたものだ。それとは別に、おおむね四半期ごとの海外IR活動もかねて積極的に行っている」(三井住友トラストHD・IR担当者)とのこと。もっとも売り出し株数は、発行済み株式の5.5%分。6月や8月には、売り出し価格(433円)を下回る場面があったにもかかわらず、引き受けた外国人すべてが、そのまま持ち続け、さらに3.3%分の新規買いが入った勘定。やはり外国人の執心ぶりがうかがわれる。三井住友FGなどに対する出遅れ感が強く、いずれどこかで頭角を現してくることになりそうだ。

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