自民政権公約2つの新視点 27日 or 28日サイトにUP 政策相場も新ステージに

概況


「安倍ノミクス」は、金融緩和のみにあらず。自民党・安倍晋三総裁の、やや勇み足めいた発言から始まった、円安・株高の“安倍トレード”だが、自民党の政権公約発表を経て、新たな局面に移行しつつある。新たな話題として注目を集めるのが、「金融セクターのGDP(国内総生産)比を英国並みの10%台に」であり、「東証『グローバル30社』インデックス創設」だろう。

金融業GDP比10% グローバル30社指数

「近いうち」自民サイトにアップへ…

自民党サイト内の政権公約、「日本を、取り戻す。」(全25ページの要約版)には、「GDP10%」も、「グローバル指数」も出てこない。これらは自民党が21日、一部報道機関向けなどに配布した詳細版で触れていたもの。「一部訂正が生じたため、一般公表は遅れたが、『近いうち』、27日か28日にも写真なども交えた形でサイトにアップできる。『訂正』といっても、細かい表現などの話で、内容は政務調査会を通っているため、21日に出した項目が抜け落ちるようなことはないと聞いている」(自由民主党・広報担当者)とのこと。

野村HD(8604) 日足

野村HD(8604) 日足

一連の安倍発言はセンセーショナルな話題を集めたものの、機関決定を経た自民党政権公約自体は従来の自民党の主張をベースとし、「さほど新味はない」(シティグループ証券「経済ウィークリー」)との評価が主流。とはいえ、詳細版の中には「スポーツ庁、スポーツ担当相の新設」「漢方医学の推進」など、相場心をくすぐりそうな表現も登場する。

GDP比2倍増への道

産業別GDPは、雇用者所得、営業収益、減価償却などから計算されるが、名目GDPの金融業シェアについて、ドイツ証券は4.9%(過去10年間のピークは2003年の6.2%)、シティグループ証券は5.5%(銀行のみでは3%)と試算。ベースの違いからか見解が分かれるが、いずれにせよ、デフレ環境下でGDP比約2倍を達成するには、規制緩和など政策面の強力なバックアップが不可欠だ。

過当競争を防げ

ただ、ある大手証券ストラテジストは、「かつての英国など『たそがれた国』は、金融に成長の活路を求めるよりなく、方向性は全く正しいが、手段を誤ると、かえって禍根を残すので注意が必要」と警鐘を鳴らす。例えば「これまでも『貯蓄から投資へ』の名の下に活性化策を推進してきたが、株式売買手数料自由化は、極端な割引による過当競争を誘発。国内証券が日本株を敬遠して、手数料の厚い外国証券ばかり勧める結果となり、個人資金の海外流出を招いている。

銀行も、超低金利常態化で貸し出し利ザヤ確保が難しくなるなど、国内の成長分野に資金が回りにくくなっている。こうした“失敗”の反省のもとに、合併促進など過当競争を防ぐ策が必要」との見方だ。

銀行、証券など金融セクターには追い風となるにしても、総花的になりがちの政権公約を、今後いかに肉付けしていくかが問われてこよう。

政府主導の新指数

もう一方の注目点で、位置付けがやや曖昧(あいまい)なのが「グローバル30社インデックス創設」。締め切りまでに自民党からのコメントを得られず、新指数創設の真意は確認できなかったが、同時期に野村証券も、国際的に比較可能な300銘柄で構成される「NIPPON DIAMOND MARKET」創設を提唱しており、問題意識は共通するとみてよさそう。

みずほ証券は今週のウィークリーで、「国内年金からもTOPIXやTOPIXコア30指数のパフォーマンスの悪さには幻滅が広がっていた」「『グローバル30社』インデックスに入るような銘柄が注目されよう」「グローバル事業の展開が重要視されようが、業種的な横並び意識や政府との関係も考慮される可能性」を指摘し、候補30銘柄をピックアップ。コア30と重複しないのは、国際帝石、味の素、ブリヂス、SMC、クボタ、デンソー、京セラ、村田製、三菱重、スズキ、任天堂、ユニチャム、ファストリの13銘柄。みずほ説の「政府との関係も考慮される可能性」を踏まえれば、資源最大手の民営化企業である国際石油帝石(1605)が浮上してきても不思議はなさそう。

国際帝石(1605) 日足

国際帝石(1605) 日足

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