概況/大引け TOPIXは859.80ポイントの5.71ポイント高、日経平均は10,395円の72円高。リフレ期待で円相場は朝方一時1ドル=86円63銭。円安とASEAN発展でトラックメーカー高い。シスメックスは野村証券が円安関連と紹介。宇部興産は岩井コスモ証券がセメント事業に注目。

概況


日経平均 15分足 MA(25、75)

日経平均 15分足 MA(25、75)

 大引けのTOPIXは859.80ポイントの5.71ポイント高、日経平均は10,395円の72円高。東証1部市場の値上がり銘柄数は821、値下がり銘柄数は732。出来高は28億9,171万株、売買代金は1兆4,746億円。

 欧州債務問題で7月にスペインの国債利回りは自力で持続的な資金調達が不可能になる「危険水域」とされる7%を超え、市場の緊張は極度に高まりましたが、7月26日にドラギECB総裁が「ユーロ存続のためなら何でもする、私を信じて欲しい」と述べ、9月6日のECB理事会では金融支援を要請した国の国債を金額は無制限で購入することを決定したため、欧州危機は小康状態となりました。

 日本では11月14日に野田首相が衆議院の解散を表明し、次期首相が有力視された自民党の安倍総裁が翌日の講演で、日銀に対して物価目標2~3%の導入を迫り、達成するまでは無制限に緩和していくと主張したため、円安が加速し、株式市場は急騰に転じました。
 衆議院選挙で自民党は294議席、公明党の31議席と合わせて325議席と、参議院で否決された法案を衆議院で再可決できる3分の2(=320議席)を上回りました。
 
 閣僚人事では財務大臣に積極財政論者の麻生元首相が就任し、復活する経済財政諮問会議を取り仕切る経済再生担当大臣には商工族を代表する甘利元経済産業大臣が選ばれ、公明党からは太田前代表が国土交通大臣として入閣しました
 公明党は自民党の国土強化基本計画に呼応し、減災・防災ニューディール構想を提唱しているので、補正予算編成においても連携が示せる配置となっています。

 野田首相が衆議院の解散総選挙を表明した日の円相場は1ドル=79円90銭でしたが、本日は一時1ドル=86円63銭まで円安が進んでいて、日経平均も解散表明前の8,664円→10,395円と2割上昇しました。
 
 米国では「財政の崖」からの転落が警戒されていますが、SMBC日興証券では米国景気がリセッションに陥る可能性は低いと予想しています。
 「財政の崖」は総額5,030億ドルで、名目GDPの3.2%に達しますが、家計の負担はその約7割の3,510億ドルを占めます。 
 「財政の崖」で個人所得に崖が生じても、個人消費には強い習慣性効果が働くため、所得が減っても消費は維持しようとすることが打撃の小さい理由となっています。

 米国の株式市場は「財政の崖」からの転落懸念で11月前半に約1兆ドルの時価総額が減少していますが、「財政の崖」自体は5,030億ドルなので、米国株の時価総額が1兆ドルも下落する必要はないとも論じています。

 来年前半は日銀の2%インフレターゲット採用、4月の日銀総裁交代、官民協調外債ファンドの創設など円安イベントが目白押しとなるため、野村証券では6月末は1ドル=90円と予想しています。
 本日の株式市場でも円安効果やASEANの経済発展に期待して、いすゞや日野自動車などのトラックメーカーが買われました。

 医療検査機器メーカーのシスメックス(6869)は野村証券が円安メリットを紹介し、投資判断「Buy」継続で、目標株価を4,000円→4,650円に引き上げたことで関心を集めました。
 営業利益の為替感応度は対ドル1円変動で2億9千万円、対ユーロで1億5千万円と医療機器銘柄では非常に高いと紹介しています。

 宇部興産(4208)は岩井コスモ証券が投資判断を「B」→「A」に、目標株価も150円→250円に引き上げました。国土強靱化政策や復興需要に伴うセメント関連として紹介しています。
 宇部興産と三菱マテリアルが生産したセメントを全量、宇部三菱セメントが買い取り、販売していますが、セメント販売量は約1,800万トンと、国内シェアは太平洋セメントと匹敵する規模となっているそうです。
 セメントの国内価格は1トン=1万円前後ですが、輸出価格は1トン=3千円台であり、販売先が海外から国内となるだけで大幅な増益要因となると指摘しています。
 
 日経ジャスダック平均は1,413円の6円高。不動産による資産運用のレーサムが低金利やリフレ政策で恩恵を受けるという期待からストップ高となりました。
 
 メンタルヘルス業界で唯一の上場企業のアドバンテッジリスクマネジメント(8769)はメンタルチェック義務化法案が成立すると恩恵を受けるという期待で買われました。

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